私たちが仕事をする中で、ときどきこんな話題になります。
「なんでA.D.GRAPHICAさんって、企画の上流から関わるんですか?」
これ、理由はとてもシンプルで、デザインをちゃんと「機能させたい」からです。
世の中では、デザインってどうしても「見た目」で評価されがちです。
かっこいいとか、おしゃれとか、きれいとか。
もちろんそれもデザインにとって重要な要素なんですが、私たちが大事にしているのはそこだけではありません。
そのデザインがちゃんと効果を発揮しているかどうか。
そこです。
例えば、ロゴでもWebサイトでもパンフレットでもチラシでも、必ず「作る理由」があるはずです。
●何を解決したいのか
●誰に届けたいのか
●何を変えたいのか
この前提が整理されていないままデザインに入ると、見た目は整っても、本来の役割を果たさないことがあります。
実際、上流から関わらない案件では、「とりあえず作る」という状態で施策が進んでしまうことも少なくありません。
例えば、これまでの慣例で今回も作ろうとか、時間がないから思いついたものをとりあえず作ろうとか。
また、SNS広告運用を実施しているクライアントから「コンバージョン率が芳しくないので、広告バナーを新しいデザインで作りたい。」という相談をいただくことがありますが、詳しくヒアリングしてみると実は課題はバナーではなく、Webページの導線設計やコンテンツ整理のほうにあるケースもあります。
※コンバージョン率:Webサイト訪問者が購入や問い合わせなどの成果に至った割合
つまり「バナーを新しくしたら解決する」と思っていた問題が、実際には「ページの構成」や「情報の伝え方」にある、ということですね。
また別のケースでは、「ロゴを新しくしたい」という相談から話が始まり、ヒアリングを進めていくうちに、そもそも事業の方向性やブランドの整理が必要だったということもあります。
こうしたことは、実はそれほど珍しいことではありません。クライアントが「作りたいもの、やりたいこと」と、本当に解決すべき「課題」が必ずしも一致しているとは限らないんですね。
だからこそ、私たちはいきなり制作に入るのではなく、まずは「何が課題なのか」「本当に必要な施策は何か」を一緒に整理するところから始めたほうが、制作したデザインがより機能すると考えています。
ヒアリングをしたり、話を整理したりしていると、クライアント自身もまだ気づいていない課題が見えてくることがあります。クライアントからみて私たち「外からの視点」が入ることで、新しいアイデアが生まれることもあります。
実際、定例ミーティングなどでいろいろ話をしていると、「それは気づかなかったです。目から鱗です!」と言っていただくことも、意外とよくあります。
もちろん特別なことをしているわけではなく、第三者として状況を整理したり、先方の言葉を翻訳したり、別の角度から見ているだけなんですが、それだけでも新しい視点につながることがあるんですよね。
そして、企画の草案の段階から関わると、
●施策の設計
●デザイン制作
●実施
●振り返り
この流れを、かなり無駄なく進めることができます。こういうプロセスを一度経験すると、クライアントにとっても大きな資産になります。
知識としても、経験としても。
僕たちは普段、わかりやすく「デザイン会社です」と言っています。でも実際には、デザインを武器にブランドを成長させるパートナーでありたいと思っています。
そのためには、見た目を整えるところだけやっていても足りないんですよね。「そもそも何を目指しているのか」そこから一緒に考える必要があります。一見すると遠回りに見えるかもしれませんが、結果として、そのほうがデザインはちゃんと機能します。
私たちは、「作ること」そのものが仕事だとは思っていません。
デザインはあくまで手段で、その先にある成果や変化まで含めてはじめて意味があるものだと考えています。
だからA.D.GRAPHICAでは、できるだけ企画の上流から関わりたい。
デザインを「見た目だけ」で終わらせず、ちゃんと機能するものにするために。
単なるデザイン会社でも、コンサル会社でも、代理店でもない。
「考えるブランディングデザイン会社」として、これからもクライアントのブランドづくりに向き合っていきたいと思っています。

記事とは関係ありませんが、先日上京した際の東京タワーの真下から。