母の日 vs 父の日。デザインの“熱量”の差

2026.06.25
  • #日々のこと

先週末は「父の日」でしたね。

5月の「母の日」のあの華やかなお祭り騒ぎに比べると、
終わった途端にスッと世間の熱気が落ち着いてしまうことに、どこか哀愁漂う「父の日」らしさを感じます(笑

実はこの、母の日と父の日の「世間の熱量の差」って、お花屋さんや街のディスプレイをデザイナー視点で眺めていると、
面白いビジュアルのグラデーションが現れているように感じます。

5月のお花屋さんは、圧倒的な「ピンク・赤一色の主役感」に包めていましたよね。
一方、6月になると、黄色いひまわりやブルー系のリボンなど、ちょっと落ち着いたトーンが混ざり合っていました。
この「どこか控えめで、掴みどころがない雰囲気」の正体を、デザインの視点からちょっと紐解いてみたいと思います。

 

「母の日」というブランディングの最強勝ちパターン

なぜ母の日のデザインは、あんなに強烈に私たちの心を動かすのか。
グラフィックやブランディングの視点で考えると、そこには明確な「勝ちパターン」が存在します。

それは、「赤・ピンク」という感情を強く刺激する色と、
「カーネーション」という絶対的なアイコン(シンボル)がガチッと固定されていることだと思います。

デザインの世界では、色とモチーフが1対1で結びついているものが最強です。
ターゲットがこれ以上ないほど明確だからこそ、世界観を作りやすく、
デザインの力で売り場全体の熱量を一気に引き上げることができる。

 

一方、「父の日」のデザインはなぜ迷子になるのか?

それに比べて、父の日はどうでしょう。
イメージカラーを見ても、日本では「感謝」を表す黄色(ひまわりやバラ)が使われることもあれば、
ビジネスやお酒を連想させる青・ネイビーが使われることもあります。

さらに、モチーフも「ネクタイ・クラフトビール・ひげ・ゴルフ」など、お父さんの趣味嗜好によってバラバラ。
グラフィックやパッケージを作る側としても、要素が分散しすぎてしまって、全体に統一感を出しにくいという難しさがあります。
つまり、デザインが“迷子”になりやすい。

 

現場のリアル – クライアントとの「父の日あるある」

実はタイムリーなことに、「父の日向けギフト」のパッケージデザインをご提案する機会がありました。

その際、クライアントの担当者様とも「お父さん向けのデザインって、一体何が正解なんでしょうね」なんてお話をしていました。
「渋く格好よくまとめすぎると、売り場で他のお土産に埋もれてしまう……」
「かといって、黄色を使ってポップに振ると、今度は子供っぽくなりすぎてギフト感が薄れる……」
これってまさに“父の日デザインあるある”なのでは?

 

でも、それだけ世の中の「お父さん像」が多様化していて、
みんなが「うちのお父さんに本当に喜んでもらえるものは何か」を真剣に考えている証拠でもあるな、と感じる楽しい案件でした。

デザインの視点を持つと、日常がちょっと面白くなる。
ギフトのパッケージひとつとっても、そこにはデザイナーとクライアントが「どうすれば届くか」を考えた背景が詰まっています。

父の日は過ぎてしまいましたが、普段何気なくお店で手に取る商品のパッケージやロゴも、
「これは誰に、どんな感情を届けたくてこの色にしたんだろう?」と少しだけ意識してみる。
それだけで、見慣れた日常がちょっとだけ面白く見えてくるかもしれません。

 

「4C cigar chocolate」のパッケージデザインをさせていただきました。

 

ーNENEKO

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